最初、中古ピアノには懐疑的だった
日本を代表するシンガー中本マリさんとのDuoのほか、ビッグバンド<マウント・ノネット>を率いるなど、幅広い活動で注目されるジャズピアニストの福井ともみさん。
「正直、これまで中古ピアノは注目していなかったし、むしろその質には懐疑的だった」という彼女がヤマハピアノサービス横浜センターを訪問。初めて触れた<リニューアルピアノ>への率直な感想を聞いてみました。
── プロを目指すピアニスト向けのレッスンも行なっている福井さんは、生徒さんから「どんなピアノがいいですか」とアドバイスを求められることも多いのではないですか?
はい。ただその答えはすごく難しいんです。たとえば趣味で楽しみたいという人に最高級のグランドピアノを「これがベストです」と勧めるのは間違っているでしょうし、そもそもお部屋に入らないかもしれません。どんなお部屋に置かれて、どんな状況で、誰が、何の目的で弾くのか。つまり「良いピアノ」の定義は人や条件によってそれぞれで大きく変わるものですから。
── そんないくつかの条件の中に価格というのも入ってくると思います。コストパフォーマンスを考えて中古ピアノを視野に入れるという方も多いと思うのですが、福井さんの中古ピアノに対する率直な印象を教えてください。
これまであまり中古ピアノというのを意識した事はなかったですし、生徒さんに勧めるということもしてきませんでした。もちろん商品として販売するのだからそれなりに整備はされているんでしょうけど、実際はどうなんだろう?って、どちらかと言うとその質には懐疑的でしたね。たとえとして正しいかわからないけれど、「中古自動車には当たり外れがある」って良く言うじゃないですか。それと同じような感覚ですかね。
── その印象はヤマハの<リニューアルピアノ>に対しても大きく変わらない?
実はヤマハに<リニューアルピアノ>があると言うことを、最近まで知らなかったんです。初めて聞いた時の印象は「ヤマハの名前が付くのだから、そんな変なモノはないだろう」と(笑)。ただ一方で、「それでも中古だから新品とは違うのかな」って思って、だから興味があったのは「どれくらい差があるんだろう」ってことでしたね。